魔界の砂
光凛は拓夜との思い出の海辺で貝殻を拾い集めひとつづつすり潰し粉にした。絵の具の顔料として使うためのもの、魔界の砂、涙が波にさらわれる。
夕日は沈んだみたいだね、勝手に強いと思っていた君のこと守れていたからきっと気高くて、約束は儚くてかよわいかわいい。すべてを知りたいなんて、なにも知れなくても一緒にいたいなんて、恋愛の辛さも楽しさに変わるならいいのにね。
君の深い孤独のアイスクリームは苦すぎて恋の味にならないね。あの時なんであんなこと、愛していても、海のように深かった貴方との思い沈めて城は砂になって波の中へと、終止符を、砂時計は永遠には落ち行かないから紐解いた恋文をこの波に委ね海に沈めよう。
魔界の砂で消えない面影えがいて欲しい。大海を見据える眼差しがいつか輝き照りつけるように。いつかわたすね。
さようなら